Rhapsody -2002-


砂に消えた恋

                                VOL.23 (2002.2/9)


唐突ですが、僕は保育所に通っていました。

保育所に入る前は、隣のゆかりちゃんと、よく遊んでいた。
だけど、僕も保育所に入るとだんだん付き合いが増えてくる。

しだいに他の可愛い女の子を意識するようになった、ある日遠足があった。

遠足といっても、歩いて近くの黒瀬川の川原までの少しの距離なんだけど
好きな子と手をつないで、照れ照れ歩くのがとても楽しかった・・・

当時の黒瀬川は、川原に下りるとさらさらの砂や小石があった。
かすかに記憶がある可愛い子の名前は、くみちゃん。
仲良く砂遊びの最中、別の男の子が「水晶」のかけらを見つけた。
(川によっては「めのう」とかも見つかるらしいが、黒瀬川では水晶しか
ぼくは見つけたことがない。)
その水晶が、何とくみちゃんのもとにとどけられた・・・・

う〜ん、やはり女は光り物には弱いのか、二人でさっきまで作っていた
愛の砂山は、ひとり取り残された僕のパンチで無惨にも崩されてしまった。

そのあと、先生が「もう帰りますよ」と言われるまで、必死で砂をかき分
けていたのは言うまでもなく、そして「水晶」は結局見つかることはなかった。
やがて、くみちゃんは引っ越しをしてしまい、また数年後再会するのだが
その時はすでに、僕は別の女の子に夢中だったってわけさっ!

最近の黒瀬川は、コンクリート護岸になってきて、めっきり砂場が少なくなった。
大人になった今なら、水晶は簡単に見つけられるかも知れない・・・

                   第23話 砂に消えた恋 (了)


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